大学生YouTuber/SUKEのアフリカ日記

こんにちは!SUKEです。youtubeやってます。このブログは海外生活、アフリカ、ボツワナについて各種コンテンツを発信するブログです。

アフリカ・ボツワナがゾウの密漁を解禁した話

 

Dumelang!

 

どうもSUKEです。

 

今回はボツワナでゾウの狩猟が解禁された話について書きたいと思います。

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こちらが実際のニュースです。

www.cnn.co.jp

 

 

一見このニュースは、

 

「なんて酷い決定だ」

「自然を守れ」

「今すぐに辞めさせろ」

 

といった声が自然保護団体からたくさん飛んできそうなニュースです。

 

ですが、そこにはたくさんの理由があるんです。

 

日本に住んでいると、

ゾウは動物園の中で見る一種のエンターテインメントにしか感じられませんが、

共生している人たちから見るゾウは、また別のものです。

 

このニュースにはどういった背景があり、どのように決定されたのか、

ボツワナでのゾウはどういう位置付けなのか、などをこの記事では詳しくみていきたいと思います。

 

 

 

 

ニュースの概要

 

ボツワナ政府は、2019年5月22日より野生のゾウの狩猟全面禁止措置を解除しました。

この決定に対し、自然保護活動家たちの多くは怒りの声を上げ、恐ろしい決定だと非難しています。

 

ボツワナ政府は、ゾウの生息数が増加し農家の生計手段に影響が出ているとしており、

5年もの期間で狩猟禁止措置をとっていたのを終了させる今回の決定が、

ゾウの生息数を脅かすことにはならず、批判するには当たらないと主張しています。

 

政府は声明で、閣内委員会が

「人間とゾウの激しい確執」と「生計の手段に与える影響」などに感化されたとし、

「害を与える動物が増加し始めたとみられ、多数の家畜が殺されるなど、

大きな被害を招いている」と指摘しました。

 

狩猟の全面禁止令は、熱心な環境活動家でもあった

先の大統領イアン・カーマ(Ian Khama)が、

野生動物の減少傾向を反転させようと2014年に導入しました。

 

ですが与党ボツワナ民主党(BDP)の議員らは、野生動物の数が増え、一部地域では制御不可能になってるとし、政策の変更を訴えるロビー活動を展開してきました。

 

アフリカ最多のゾウの生息数を誇るボツワナには、13万5000頭以上の野生のゾウが生息しており、「アフリカ大陸最後のゾウの聖域」と呼ばれることもあります。

 

ゾウたちは、フェンスのない公園内や開けた大地を自由に歩き回っており、今回の議論は特にはゾウの狩猟に焦点が当たっています。

 

ちなみに、ボツワナに野生のゾウがいる様子はこの動画で見ることができます。

www.youtube.com

 

英ロンドンを拠点とする動物保護団体

「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル

(Humane Society International)」は、

「恐ろしい決定だ。保護に取り組む人々の間に衝撃が走ることになる」と非難し、

「狩猟の再開は、道徳的に疑問の余地があり、

ゾウの保護に向けた国際的な取り組み全てを無視するだけでなく、

非常に価値のあるボツワナの観光産業にも損害を与える可能性が高い」と訴えました。

 

ですがボツワナのキツォ・モカイラ(Kitso Mokaila)環境・天然資源保護・観光相は、

「われわれは、向こう見ずなわけではなく、今後も向こう見ずであることはない。

われわれの環境保護への責任は変わっていない」と述べました。

 

 

 

世界のゾウ事情

 

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世界各国、特に中央アフリカ諸国ではゾウの密漁が危機的なレベルに至っています。

 

2011年に密猟者によって殺害されたアフリカゾウは約4万頭で、これはアフリカ大陸に生息する個体数の約10%に相当するといいます。

 

2012 年には、たった一度の密猟で、数百頭のゾウが殺される事件が、カメルーンの国立公園で発生しました。

 

こういった事件を受け、近年では、アフリカ諸国が連携してゾウの密漁を阻止しようとする動きが活発化していました。

 

そのおかげもあり、直近8年間で、アフリカゾウの密漁は半減し、

2018年のアフリカゾウの密漁数は全体の4%に当たる1万5000頭でした。

 

世界で最も重い陸生動物であるアフリカゾウは100年前、

最大で1200万頭がアフリカ大陸に生息していたと考えられていますが、

現在の生息数は、近縁種のマルミミゾウを含めても約50万頭しかいません。

 

それでは、なぜゾウの密漁が行われるのでしょうか。

 

世界中で、ゾウの牙はワシントン条約で国際取引が禁じられていますが、非常に需要が高いものです。

特に、アジアの富裕層の間では富の象徴として需要が高く、闇市場で高値で売買されております。

 

特に東南アジアと中国のマーケットは、象牙の最終消費市場としてとんでもない規模の取引が行われています。

 

中国は2017年12月31日をもって象牙の市場を閉鎖しましたが、取引自体は無くならないと言われています。

 

WWFのサイトによると、

WWFトラフィックが、

中国の主要な15都市で2017年6月から11月にかけて実施した意識調査の結果によると、

対象者の86%が取引禁止を支持すると回答しました。

しかし、

その一方で実際に象牙の国内取引が禁止となることを知っていたのはわずか19%。

説明を聞いた後で思い当たると答えた人も46%にとどまりました。

つまり、中国国民の大半は、象牙の国内取引が禁止となったことを認識していない可能性が高いと考えられます。

さらに、取引禁止について知らされる前の回答では、対象者の43%が象牙製品を購入する意向を示しました。

https://www.wwf.or.jp/activities/news/156.html

 

 

上記のように、表向きは市場が閉鎖されましたが、依然として取引を止める気がある人間が少なくないようです。

 

また、東南アジアのマーケットからの不法流入なども考えられるので、中国での象牙取引は無くならないでしょう。

 

ちなみに、現在では禁止されていますが、1980年代の日本でも象牙の取引が盛んに行われていました。

 

 

 

自分の見解

 

今回のゾウの密漁解禁はあまり良くないことだと思います。

 

今回の決定に至った表向きの理由は、農家の生計手段への悪影響を懸念しての対策ということになっています。

 

しかし、本当の理由は他の部分にあるのではないかと僕は思っています。

 

これはあくまで推測ですが、ゾウの密漁を解禁することで、

ボツワナ政府がアジアでの象牙販売による利益獲得を改めて狙っているのではないか

と僕は推測しております。

 

というのも、現在アフリカ各国ではチャイナマネーによる開発が進んでいます。

ボツワナも例外でなく、石炭火力発電所や下水工事など各種インフラ開発に中国企業が絡んでいます。

そういった背景があり、少なからずボツワナは中国に対してあまり強気な立場でいられない現状です。

 

今回の決定にはそういった政治的背景がかなり絡んでいるのではないかと勝手に推測しています。

 

また、シンプルに密漁が解禁されてしまうと、

ただでさえ減少しているアフリカゾウがより数を減らしてしまい、

しまいには数年でゼロになってしまうでしょう。

 

一度多少なりとも改善された生態系へのダメージが、

また加速してしまうのはいただけないことです。

 

ですので、今回の決定は非常によくないことであると僕は思っています。

 

しかし、一つだけ興味を持っていることもありまして、

今回の密漁解禁を受けて、ボツワナではゾウ肉の缶詰が販売されるかもしれないそうです。

 

ジンバブエではすでに販売されており、

その味は悪くないそうですが、めちゃめちゃ筋張って硬いらしいです。

 

こんなこと書くと物議を醸しそうですが、ゾウの肉は少し食べてみたいです。

もし、食べたら動画にすると思います。笑

 

 

まとめ

 

今回はボツワナでゾウの狩猟が解禁されたニュースについてまとめてみました。

 

日本に住んでいるとゾウはかなり遠い存在に感じますが、

アフリカでは人々の暮らしに悪影響を及ぼす動物という捉え方をされることがあります。

 

かといって、密漁が解禁となるとそれに伴って環境が改善される人の数よりも、

自己の利益を手に入れることができる人の方がはるかに多いのが現状です。

 

今回の決定が、一部の人間の私利私欲を正当化するためだけに、

環境を破壊を容認してしまうものにならないことを祈ります。

 

是非皆さんも興味があれば、調べてみてくださいね。

 

それでは!Sala sentle!

 

SUKE