アフリカ開発会議 (TICAD)とは!
Dumelang!
どうもSUKEです。
また更新すると言った矢先に色々トラブって更新できずにいました。笑
今回は、先日横浜で開催されておりました、
アフリカ開発会議(TICAD)について解説したいと思います!
恥ずかしながら、アフリカに関わっている人間でありながらこのような世界的なイベントがあることを今回のTICADで知りました。
皆様にもアフリカ開発会議とは何なのか、どのような目的で開催されているのか、
どういった歴史があるのか、など知っていただきたいのでぜひこの場を使って紹介したいと思います。
これからのビジネスに興味のある方、アフリカへの進出を目論んでいる方は、
ぜひこの機会にアフリカ開発会議について知ってください!
これからの未来を考えるイベント、アフリカ開発会議とは?
早速、アフリカ開発会議(TICAD)について紹介していきます。
実は結構前から継続的に開催されているTICAD、
今回はその歴史や内容、目的などをまとめていきます。
TICADの概要
はじめに、TICADの概要について説明します。
外務省のホームページによると、
TICADとは、
Tokyo International Conference on African Development
(アフリカ開発会議)の略であり、
アフリカの開発をテーマとする国際会議です。
1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、
アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共同で開催しています。
2016年8月27~28日には、ケニア・ナイロビにて第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)が開催されました。
同会議は、初めてのアフリカ開催であり、
というものです。
その会議が、今回は横浜を舞台にして、
2019年8月28日から30日までの3日間開催されました。
TICADは、冷戦終結後、先進国のアフリカ支援への関心が低下した際に、
日本政府がアフリカ支援への重要性を感じた結果生まれた会議です。
今でこそ、世界各国がTICADのようなフォーラムを開催していますが、
実は日本がそれらのパイオニアなんです。
TICADが掲げる目標
TICADは3つの目標を掲げて活動しています。
その3つの目標とは、
- 質の高い成長
- 人間の安全保障
- 官民一体となったアフリカ開発
という3つです。
それでは1つずつ見ていきましょう。
質の高い成長
1つ目は質の高い成長です。
この質の高い成長とは、外務省のホームページに書かれていることを要約すると、
”アフリカの開発における課題を解決するためには、経済成長とそれに伴う恩恵が広く人々に行き渡るような安定的な成長”
のことを指します。
この質の高い成長を日本の経験を活用してサポートしようというのが1つ目のTICADの目標です。
人間の安全保障
2つ目は人間の安全保障です。
人間の安全保障とはつまり、
”アフリカに住んでいる人々1人1人の能力強化を目指し、彼らが能動的に国づくりに参画することでアフリカを自律的に成長させ、個人の安全を守る”
ということです。
安全保障を国際的に主導してきた立場の国家として、
日本はアフリカに住む人々全員の安全保障をTICADを通じて実現しようとしています。
官民一体となったアフリカ開発
3つ目は、官民一体となったアフリカ開発です。
アフリカは、その発展スピードと未だ開発が進んでいない土地が広く残っていることから、しばしば「ラスト・フロンティア(最後の未開拓地)」と称されます。
この未開拓のアフリカへの投資によって、多額の利益とアフリカの人々の生活水準向上を目指し、政府と民間企業が手を取り合ってアフリカ支援を行うために、
TICADを通じて様々な活動を行なっています。
今回横浜で行われたTICADでも安部総理が、
「今後3年間でアフリカに向けて200億ドル以上の民間投資を実現する」
という基調演説を行いました。
正直この演説に関して言うと、
政府が民間に対してしっかりとサポートを行わない限り、
200億ドル以上のサポートなんて実現可能性は低いと思いますが、
もし実現すれば未だ未進出の日本企業が多数アフリカに進出することが可能となります。
現状アフリカで生活していると、あー日本企業のあれ入ってくれないかなー
と思うことが多々あるので、ぜひ政府主導でアフリカ開発のための投資に力を入れて、たくさん利益をあげて欲しいところです。
TICADの課題
ここからは、TICADの課題について記していきます。
個人的に、TICADの課題は2つあると思っていて、その2つというのは、
- アフリカにおけるTICADの立ち位置
- 日本人が持つアフリカへのイメージ
の2点です。
それでは1つずつ説明していきます。
アフリカにおけるTICADの立ち位置
今回、TICADが開催されるにあたって、日本ではそれなりに大きく報道されていたようですが、肝心のアフリカではあまりTICADに関する報道は見られませんでした。
僕は現在ボツワナに在留していますが、ボツワナの友人に東京オリンピックについて言及されることはあっても、TICADについて何か聞かれることは一度もなかったです。
逆に、昨年開催された中国・アフリカフォーラムは非常に大きく報道されていたと言います。
日本側としてアフリカを盛り上げようという意思があっても、
アフリカから見てTICADがそれほど重要ではないとみなされてしまえば、
その会議はあまりアフリカに対して影響をもたらすことはできないのではないでしょうか。
より、アフリカ内でのTICADのプロモーションに対して、
日本企業・政府は力を入れるべきであると私は考えます。
日本人が持つアフリカへのイメージ
2つ目はこの日本人が持つアフリカへのイメージです。
大抵の日本人が持っているアフリカのイメージって上の画像じゃないでしょうか。
正直、僕も去年ボツワナに来るまでは、この画像が僕の中のアフリカでした。
しかし、実際のところ発展が進んでいる地域では、
日本のちょっとした地方都市より栄えている場所がいくつかあります。
この上の画像のイメージを払拭できない限り、日本企業がアフリカへ進出するスピードは決して上がることはないでしょう。
また、アフリカと日本は物理的距離が非常に遠く、治安や交通手段、インフラも非常に整っておりません。
電車や公共バスがしっかり整備されている国なんて、現状南アフリカくらいなのではないでしょうか。
上の画像ほど田舎ではないにしても、インフラや治安のリスクを考えると、
なんでも揃っている日本を出て、日本に比べると生活の質が露骨に下がるアフリカに住みたいと思う人はやはり少ないでしょう。
アフリカに駐在したいと思える人が増えない限り、日本からアフリカに進出する企業はやはり増えていかないように思います。
せっかくTICADでアフリカ支援を頑張ります!と国が宣言しても、
官民共同で動くことができなければ、机上の空論です。
ですので、日本企業をアフリカに進出させるためには、
日本国をあげてアフリカのインフラを整える活動をする必要があると言えます。
まとめ
今回は日本で8月末に開催されていた、アフリカ開発会議(TICAD)について記してみました。
日本がパイオニアでありながら中国に存在感で負けていたり、
現地では全く報道されていなかったりと、なかなか厳しいTICADですが、
少しでもこの会議を通じて、日本国民がアフリカへの関心を持つきっかけとなれば良いと思います。
現状ラストフロンティアのレースでは中国に大きく出遅れている現状があるので、
なんとか次のTICADまでには、日本国内でアフリカに対する大きなムーブメントが起こっていることを期待します。
次回のTICADは2022年にアフリカで開催されます。
今後は3年ごとに日本とアフリカで交互に開催される予定だそうです。
皆さんももしよかったら、 TICADについて調べてみてくださいね!
それでは!Sala sentle!
SUKE